ゲノム分析と歴史解釈 特別講演
‧ 掲示日: 2021年 07月 08日(木)
‧ リンクアドレス: http://hongikf.org/sub/sub10_03.php?p_idx=28
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‧ 主管 ‧ 主催: 弘益財団 (http://www.hongikf.org)
東アジア人々と民族の起源
李輝 敎授(復旦大學 生命科學院)
遺伝子系譜は人間個体と個体、集団と集団間の血縁関係を推定し、地域、時間に関係なく歴史研究の正確な基準を提示する。その系譜を確認するのに最も効率的なのは父系のみに遺伝するY染色体で、全世界のY染色体はすべて一つの系統樹で構成される。
アフリカから出た現代人類は約4万年前、インド、東南アジアを経て東アジアに進入した。彼らは氷河期が終わると、新石器の道具で農耕を行い文明を創造し始めた。中国における農耕の2大起源は、11,000年前の湖南省沅江流域の米、河北省桑干河流域の粟である。これらは後に長江中流の古廟文化(米)、長江下流の良渚文化(もち米)、黄河中流の仰韶文化、黄河下流の大汶口文化、遼西の紅山文化など5つの文化圏を形成している。
東アジアのY-染色体系統樹における最も重要な3つのものは、東アジアで後代を急速に広めた3人の男性から始まった。東アジアの人口の半分を占める人々が分岐したのは約6,800年前、6,500年前、5,400年前であり、特に5,400年前の分岐は紅山文化と密接な関係がある。紅山文化の移動により、北東アジアのすべての地域で大規模な種族移動が起こった。紅山文化は北東アジア全体に大きな影響を及ぼした北東アジア文明の母体である。